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用語集 経営・組織

定着率・離職率とは

ていちゃくりつりしょくりつ / Retention Rate / Turnover Rate

「離職率15%」は何の数字か。対象・期間・分母を決めなければ比較できない

公開日2026/09/20

定着率・離職率 とは

定着率は一定期間後に在籍している人の割合、離職率は一定期間に離職した人の割合。対象と期間の定義で値が大きく変わる指標。

定着率と離職率は、オンボーディングの成果を測る最も基本的な指標です。しかし「うちの離職率は10%」と言うとき、その数字が何を指しているかは会社によって異なります。定義を決めずに比較すると、判断を誤ります。この項目では、定義と計算式、全国平均、結果指標としての限界、先行指標との組み合わせを整理します。

意味と計算式

定着率とは、ある時点に入社した人のうち、一定期間後に在籍している人の割合です。離職率とは、一定期間に離職した人の割合で、分母の取り方によって2種類あります。

定着率・離職率の計算式と、使い分け

指標 計算式 用途
年間離職率(全社) 年間の離職者数 ÷ 期初の在籍者数 組織全体の人材の流出の把握。全国平均との比較
入社年次別の離職率 ある年に入社した人のうち、N年以内に離職した人 ÷ その年の入社者数 新卒・中途の早期離職の把握。厚労省の「3年以内離職率」はこの形
1年後定着率 ある年に入社した人のうち、1年後に在籍している人 ÷ その年の入社者数 オンボーディングの成果指標。100% − 1年以内離職率
90日定着率 入社90日後に在籍している人 ÷ 入社者数 入社直後の受け入れの成果指標

「誰を」(新卒か中途か全社か)、「いつからいつまで」(年間か入社後N年か)、「何で割るか」(期初在籍者か入社者か)を決めて初めて、時系列の比較と他社との比較ができます。オンボーディングの評価には、全社の年間離職率より、入社年次別の定着率が適しています。

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全国平均

厚生労働省の「雇用動向調査」(2023年)によれば、常用労働者の年間離職率は15.4%です。新卒については、「新規学卒就職者の離職状況」(2024年公表、2021年3月卒)で、3年以内離職率は大学卒34.9%、短大等卒44.6%、高校卒38.4%。大卒の内訳は1年目12.2%、2年目11.6%、3年目11.1%で、各年ほぼ同じ規模で離職が続いています。事業所規模別では、5人未満の事業所で59.1%、1,000人以上で28.2%と、規模による差が大きいことも特徴です。

これらは「平均」であり、自社の数字を評価する目安にはなりますが、業種・規模・職種で大きく異なります。自社の時系列の変化を追うことが、平均との比較より重要です。

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結果指標としての限界

定着率は「結果指標」です。1年後定着率がわかるのは入社から1年後で、そのときには辞めた人は辞めています。数字が出てから手を打つのでは遅い——これが定着率だけを追う限界です。

早期離職の多くは、入社後の最初の90日で意思が固まります。定着率という結果が出る前に、その前兆を捉える指標が要ります。30日・60日・90日のパルスサーベイで測る適応の3指標(役割の明確さ・自己効力感・周囲からの受容)、上司の1on1の実施率、バディとの面会回数——これらは定着率に先行して動く先行指標です。

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経営指標としての扱い

人的資本経営の文脈では、定着率は経営会議で追うべき指標の一つです。離職1人あたりのコストは年収の約21%という推計があり(Boushey & Glynn, 2012)、定着率の1ポイントの改善は、採用費・教育費・立ち上がり期間の損失の削減として金額に換算できます。定着率を人事の指標ではなく経営の指標として持つことが、現場の上司の時間を受け入れに確保する根拠になります。計算と設計の詳細は定着率・離職率の測り方、早期離職の構造は早期離職の項目で解説しています。

数字を「見せ方」で整えることにも注意が要ります。分母を期初在籍者から期中平均に変える、試用期間中の離職を除く、契約社員を除く——定義を変えれば数字は動きます。社内で定義を固定し、変更するときは過去にさかのぼって再計算し、開示する場合は定義を明記する。定着率は、正確であって初めて改善の材料になります。

Q

離職率は低いほど良いのですか?

A

一概には言えません。離職率がゼロに近い組織は、人材の新陳代謝がなく、合わない人も留まっている可能性があります。問題は離職率の高さそのものより、「入社1年以内」「期待していた人材」の離職が多いことです。誰が・いつ辞めているかを分けて見ます。

Q

全国平均と比べて自社の離職率が高い場合、何を見ればよいですか?

A

まず「誰が・いつ」辞めているかを分けます。新卒の1年以内か、中途の半年以内か、特定の部署か。次に、辞めた人の入社後90日のサーベイと1on1の記録を見ます。多くの場合、辞める前に役割の明確さや受容の点数が下がっており、そこに打ち手があります。

Q

定着率の目標はどう設定しますか?

A

全国平均より、自社の過去3年の推移を基準にします。「新卒1年後定着率を前年比3ポイント改善」のように、入社年次別の指標で設定し、あわせて先行指標(90日サーベイの3指標、1on1実施率)の目標を持つと、結果が出る前に進捗を追えます。

執筆者

WellColab

AI自律型オンボーディングプラットフォーム onbx を開発・提供する株式会社WellColab。

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